正しく見るために

遠近両用レンズをオススメする理由

2019.12.16

 

 

50歳代以上の近視の方で「まだ老眼にはなってないんですよ」「メガネ外したら近くが見えるから」という方がいらっしゃいます。

 

「老眼になってない」は不正解ですが、「メガネ外したら近くが見える」は正解です。

 

以前のコラムで遠点・近点・明視域についてお話ししましたが、50歳の方の平均的な調節力は2.50Dなので、S−3.00Dの近視の方が完全矯正のメガネを装用した時の明視域は、眼前40cmから無限遠方となります。

 

近視を正視眼の状態に矯正した場合に40cmよりも近い距離にはピントが合わないのですから「老眼になってない」は不正解、そしてS−3.00Dの近視の方の裸眼での遠点は、眼前33cmなので「メガネ外したら近くが見える」は正解というわけです。

 

 

 

 

S−3.00Dの近視の方も50歳ぐらいまでは調節力に負荷がかかりながらも、とりあえず遠用のメガネで過ごしているという方も多いのではないでしょうか。

 

ところが、55歳を過ぎるとメガネを装用した状態でパソコンを見るためには少し距離を遠ざけたり、裸眼では逆に近づかないとピントが合わないようになってきます。

 

60歳では裸眼でも、メガネを装用しても、眼前33cmから眼前100cmまではピントが合いません。

 

 

 

 

「読み書き・パソコン」用のメガネも単焦点レンズでは、眼前37cmから眼前57cmまでしかピントが合わず、単焦点レンズのメガネでは、目的距離に合わせて何本も掛けかえる必要性が出てきて億劫ですね。

 

 

 

 

そんな煩わしさを解消してくれるのは累進多焦点と呼ばれる境目のない遠近両用レンズ。

 

累進多焦点レンズは、遠用から近用まで累進的に度数が変化していて、視線の角度を上手に合わせると、遠くから近くまでピントが合います。

 

遠近両用レンズの遠用度数と近用度数の差を「加入度数」というのですが、加入度数が小さい方がユレやユガミが少なく、レンズに慣れやすいと言われています。

 

60歳を過ぎてから初めて遠近両用レンズを掛けるとなると、加入度数が既に大きくなってしまってるので、かなり慣れにくいということに。

 

一番上のイラストに『45歳の明視域(近視S−3.00D/調節力3.50D)』というのがあります。

 

45歳の正視眼の方や近視の方が完全矯正のメガネを装用した時の明視域は眼前29cmから無限遠方なのですが、イラストのグレーで表した29cm~58cmの範囲はピントが合うけど、調節力に負荷がかかってる距離であり、お客様の眼の屈折状態や調節力、趣味や仕事の内容、普段見ている時間が長い距離などを考慮する中で、このあたりの年齢の方から遠近両用レンズをオススメしています。

 

『老眼』というワードがネガティブなイメージを作っているようですが、実際の生活の中で文字のカスミや眼精疲労を自覚する時期が40歳代半ばから50歳頃にかけてというだけで、実は調節力は10歳をピークに低下しています。

 

ネガティブに考えて負荷をかけながら生活するよりも、ポジティブに捉えて負荷のかからない視生活を送る方が、ストレスもかからず快適に暮らせるはずです。

 

 

 

 

将来を考えると遠近両用レンズはとても便利なレンズであり、いずれは遠近両用レンズと考えていらっしゃる方は、40歳代半ばの早い時期からが、慣れやすくオススメですよ。

 

今回は一例として、S−3.00Dの近視で調節力においては平均的なデータでお話しさせていただきましたが、調節力も個人差があります。

 

きちんとした検査で眼の屈折状態、調節力、現在使用しているメガネの度数から、現状の明視域を数値化することができ、さらに現状よりも快適になる度数やレンズを提案させていただけますので、お気軽にご相談ください。

 

 

 

明視域や目的距離に合った屈折検査などについては、以前のコラムでご紹介させていただいておりますので、よろしければこちらもご覧ください。

 

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