正しく見るために
紫外線対策とサングラス
2025.07.10
酷暑が続き、ニュースやメディアでも『紫外線対策とサングラス』について取り上げられることが多くなりました。
目の健康維持やアイフレイル対策として紫外線対策はとても大切ですが、報道の多くが「紫外線対策としてサングラスを活用しましょう」という内容となっており、『紫外線対策=(イコール)サングラス』というのは、少しニュアンスが違います。
そこで、今回のコラムは『正しい紫外線対策』と『サングラス購入の際に注意すること』について。ぜひご一読ください。
UVと略される『紫外線(ultra-violet)』は、波長がおおよそ10〜380nm(ナノメーター)の範囲の電磁波です。
対して、電磁波のうちヒトの目で見える波長(おおよそ380〜780nm)の光を『可視光線』と呼ばれます。
可視光線で最も波長の短い光は紫色であり、紫外線はそこからさらに波長が短く、紫色の外側という意味で紫外線と呼ばれています。

紫外線はヒトの目には見えず、感じることもありません。私たちが「眩しい」と感じるのは目にみえる可視光線によるもので、『サングラス』はカラーレンズとその濃度により眩しさを軽減してくれます。
紫外線対策としては、レンズに紫外線をカットする機能がついてるかが重要です。
紫外線をカットするレンズであれば、レンズのカラーや濃度は関係なく、無色透明のレンズでも紫外線対策となります。
当店で取り扱っているレンズは、無色透明のレンズでも、紫外線をほぼ100%カットします。
また、紫外線は正面からだけではなく、四方八方からやってきます。背後からの紫外線がレンズの裏面に反射して目に入るのを防ぐ『裏面反射UVカット』といった機能性レンズもおすすめです。
『紫外線対策にサングラスを推奨してるけど、職場や学校ではかけられない』という方も、紫外線をほぼ100%カットする無色透明のレンズで紫外線対策ができますので、お気軽にご相談ください。

そして大切なことをもうひとつ。
眩しさを軽減してくれるサングラスもご購入時は注意が必要です。
ヒトの目は明所では縮瞳が生じ瞳孔径は小さくなり、暗所では散瞳が生じ瞳孔径は大きくなります。
カラー濃度の高いサングラスは、かけることにより瞳孔径は大きくなりますので、きちんと紫外線がカットされていないレンズでは、目がより多くの紫外線を取り込んでしまい本末転倒です。
サングラスは消費者庁の家庭用品品質表示法の対象になっており、商品に下げ札やタグなどで表示することが義務付けられています。
サングラスをご購入の際は、下げ札やタグに記載されている『紫外線透過率』などもぜひチェックしてください。

『家庭用品品質表示法』は、消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。
対象品目に『サングラス』があり、『品名』『材質』『可視光線透過率』『紫外線透過率』等を、商品に下げ札やタグなどで表示することが義務付けられています。
『品名』は『サングラス』『偏光サングラス』『ファッショングラス』の3つに分類され、眼の健康を考慮すると『サングラス』『偏光サングラス』と記載されているものが安全です。
また、『可視光線透過率』はレンズの濃度を表し、数値が低くなるほど眩しさを軽減する効果が高くなります。
『品名』に『サングラス』となっているものについては『紫外線透過率』は1%以下と記載されているのが一般的です。
消費者庁の家庭用品品質表示法(サングラス)について、詳しくはこちら
